XSC-59ST-Proの飛距離データを考察してみる

 

 

 

前回はXSS-67ST-Proの飛距離測定の結果データを考察していきましたが、今回は同じくXSC-59ST-Proの飛距離測定についての考察をしていきたいと思います。

 

XSC-59ST-Pro開発秘話

最高のロッドを開発すべく、2023年に木更津工専の協力の下、無風下の体育館にて飛距離測定を行っていました。

 

飛距離dataの測定に協力して頂いたのは板垣先生、学生の田中くん、松野下くんの2名、そして釣友の大野さん。

 

2023年の1月30日に実施しました。

 

 

 膨大なdataを取り、これは一部のデータ。

キャストして頂いたのは釣友の大野氏と学生の田中君。

 

大野氏はベイトフィネス経験者。一方、学生の田中君はルアーフィッシングの経験者ながらベイトタックルは初心者アングラー。普段はスピニングタックルをメインに楽しんでいる釣り人になります。

 

 

5フィート10インチのソリッドティップのファーストテーパーのソルトベイトフィネス系のロッドと、

クロスセンシティブのXSC-59ST-Pro、5フィート9インチのチューブラーティップのスローテーパーロッドで、飛距離を比較したデータになります。

 

 

データ考察①

まずは大野氏のデータから見ていきたい。

 

注目すべきは飛距離の数値自体にもあるが、5投した時の飛距離のバラツキに注目して頂きたい。

(N数=5と若干少なめですが、他のデータとも比べて判断し、開発につなげています)

XSC-59ST-Proディアスローは、サンプルBのファーストテーパー、ソリッドティップ5'10"のロッドに比べ、ほぼ毎回安定した飛距離を出しているのがグラフからも見て取れる。

特に1.0g、2.0gの軽量域はより顕著だ。

 

つまりグラフが横一列の直線的になっているということ。
さらに2.0gのジグヘッドの重さでは、サンプルBよりXSC-59ST-Proディアスローの方が、若干であるが飛距離は伸びている。


これは大野氏のコメントにもあったのですが、毎回気持ち良くキャスト出来る、という事に繋がっていると考察出来ます。安定したキャストは、すなわちキャストが気持ちいい、最高のキャストフィールが得られ、アングラーの満足度向上、快感に繋がります。

この事が数値化され、まずは「見える化」することが出来ました。

 


データ考察②

次にベイトタックル初心者の田中君のデータを見ていきたい。

 

やはり、これも同じで、注目すべきは飛距離の数値自体にもあるが、5投した時の飛距離のバラツキ。

テストロッドAもBも、両方のロッドにおいて、飛距離のバラツキがある。

 

これは前者のベイトフィネス経験者の大野氏と比べても明らかで、ベイトタックルの初心者にとっては、軽量ジグヘッドを慣れていないベイトタックルでは、キャストに苦労しているのが数値からも見て取れる。

 

これがベイトタックルがスピニングタックルに比べて、難しいというのに繋がっている、と考えられます。

 

特に今回はベイトタックルにおいては、軽量域の1g、2g、3gなので、慣れない釣り人にとって、キャストの難しさは尚更だ。

 

しかしながら、テストロッドAのXSC-59ST-Proディアスローの方が、テストロッドBに比べて、まだ飛距離が安定している傾向も見て取れる。

 

そして飛距離のバラツキより、より顕著に数値に表れているのが、テストロッドAとBの飛距離。

テストロッドAのXSC-59ST-Proディアスローの方が、テストロッドBに比べて、かなり飛んでいる。

 

これは初心者にとって、テストロッドAのXSC-59ST-Proディアスローの方が扱いやすく、飛距離も出る、という結論に。

 

やはりスローテーパーで、最新技術を使ったロッドは、通常のロッドより誰もが扱いやすく、キャストも気持ちよく出来る、というのがアングラーのインプレッションだけでなく、数値でも証明されたと言えます。

 

このデータからロッドの良し悪しを少しでも判断出来る材料になればとG-TECは考えています。

 

ベイトフィネスはやはり少し難しい!?

 

今回のデータからも、やはりアジングやメバリングなど、ライトゲームにおいてソルトのベイトフィネスは、初心者にとって難しい、というのが改めて認識出来ました。

 

まだまだベイトリールの進化は凄いとはいえ、いきなりベイトタックルからライトゲームを始めるのはハードルが高いと言えよう。

現実的にもベイトタックルでソルトを楽しんでいるのは1割から2割程度であろう。

 

逆に言うと、難しい半面、練習して上達していくと断然面白くなっていくのがベイトタックル。今回のモニターであったベイトタックル初心者の田中君も、飛距離測定をしている間にもみるみるキャストが上手くなっていった。おそらく、大野氏の飛距離になるまで、そんなに時間は掛からないであろう。

 

そう、釣りは遊び。簡単なものはすぐに飽きるけど、多少難しい方が楽しいのです。

 

これを読んでくださっている読者の方も、これをキッカケにベイトタックルを使っていただけたら幸いです。

 


G-TECでは、これからも科学的根拠に基づきながら、アングラーに夢と感動を与える道具を作り続けていきます。